会長からのご挨拶

大学行政管理学会会長
笠原 喜明
(東洋大学)
実践と理論の双方向で大学の未来をデザインする人財を育てる
わずか30年ほど前に200万人を超えていた18歳人口は既に120万人を割り込み、20年後には80万人台になると予測されています。「失われた20年」等の日本経済の失速時期とも重なり、またグローバル化の進展による国際間競争が激化するなど、我が国の高等教育を取り巻く環境は、年々厳しくなっています。
一方、SDGsが求められ、Society5.0が示される中で、教育・研究・社会貢献活動を通じて明るい未来をデザインし、その未来を担う人材を育成することは大学の変わらぬ責務であり、社会は大学に大きな期待を寄せています。そして、大学がその期待に応えていくために、職員が果たすべき役割は少なくありません。とりわけ、現在も続くコロナ禍において、教員と職員の役割の垣根が低くなったことで、職員に求められるもの、職員が活躍できる場は、より大きく、より広くなったように感じています。
大学行政管理学会(JUAM)は、大学における多様な領域を実践的、理論的に研究し、プロフェッショナルとして大学行政管理にたずさわる人材の育成を通して大学の発展に寄与することを目的とし、1997年に設立された学会です。その活動は既に四半世紀を超え、この間、それぞれの大学を牽引する職員を当学会から輩出してきたと自負しております。
発足当初から全国各地の研究会やテーマ別研究グループ等を中心に活動していますが、年齢、性別、経験年数や担当業務を超えて切磋琢磨し、吸収し合うダイナミズムがこの学会にはあります。ともに学び、交流し研鑽しあいながら、一人ひとりの成長と大学の発展に寄与する、これが大学行政管理学会の原点です。会員は北海道から沖縄まで及び、会員数は2021年7月現在、約1,200名です。
社会やステークホルダーが大学に求めるものが多様化、複雑化している中で、大学だけでなく個々の職員も多様な視点を持つことが求められています。多様な視点や未知の経験との出会いを求めて、皆様もJUAMの輪に加わりませんか。ご加入を心よりお待ちしております。