新型コロナウイルスが全国的に蔓延し、今月16日から来月6日まで全都道府県に、「緊急事態宣言」が発出されました。それを踏まえ、外出自粛・各業態への休業要請がなされるとともに、在宅勤務(テレワーク)の推進が強力に求められています。
各大学におかれましては、特に新年度・新学期を迎え、授業をどのように進めていくべきか、苦慮されているのではないでしょうか。多くの大学でオンライン授業の実施が謳われていますが、これまで対面式での授業が当然のごとく実施されていたことからの大転換であり、当事者の教員のみならず、支援を行う職員にとっても試行錯誤の日々が続いていることとお察しいたします。また、外出自粛や面会の接触制限等が長期間続き、精神的なストレスが溜まっているのではないかと思われます。
しかし、良くないことばかりでしょうか?学部事務や経理業務等で大変多忙な日々を過ごされている方々もいらっしゃれば、在宅勤務や交替出勤等に切り替わり、比較的時間の余裕を持って一日を過ごされている方もおられるのではないでしょうか。そうであれば、この際日常業務の慌ただしさから少し距離を置き、大局的視点で物事を見つめ直す契機としたらいかがでしょうか。
立命館大学大学院先端総合学術研究科の小川さやか教授は、現在大学の置かれた状況に対して、今月8日の朝日新聞夕刊で次のように述べられています。
「・・・・致し方なくウェブでの講義や会議に切り替わった現在は、どんな大学を構築したいかを自由に問う好機だ。育児や介護、あるいは障害や病、経済的事情を抱えた人びとのアクセスビリティから、壇上からの教授にひそむ権威性、知識や教養の本質、固定的な時間で区切られたカリキュラム、キャンパスの閉鎖性まで、未来の大学のかたちのために再考できたらと思う。」
この際、自分の業務の棚卸しを行うとか、自部局、さらには自大学の将来について深く想いを巡らしてみるとか。・・・・日頃読めない本を通読することによって、異なる視点、幅広い視野でものを観ることに繋がるかもしれません。「ピンチはチャンス」といいます。発想を切り替え、実行してみる絶好の機会です。
最後に具体的なお話しを一つ。これまで23回、毎年会場校を変えて行われてきた定期総会・研究集会は今般の状況下、実施できるか否か、微妙な局面にあります。現在、三役および担当常務理事を中心に検討していますが、来月中・下旬には一定の結論を出す予定です。仮に研究集会が実施できないとしても、それに代わる代替企画を秋以降に何とか実現できればと考えています。
お身体にくれぐれもお気をつけください。
この機を前向きに捉えて、乗り切りましょう!
大学行政管理学会
会長 金田 淳一
2020年4月17日