第75回九州・沖縄地区研究会開催報告

■投稿者  常務理事 吉松朋之(福岡女学院中学校・高等学校事務長)
■開催日時 2023年10月21日(土)14:00~16:40
■開催場所 福岡大学
■参加人数 23名
■内容

テーマ :『私たちの未来プロジェクト~大学職員と組織の「今」、若手・中堅職員の創る「未来」を考える』

【講 演】  14:10~15:10(60 分)「私たちの未来は私たちが作る-当事者としての大学職員-」
                 講演者 杉原 明 氏(15 期会長/学校法人工学院大学理事)

 工学院大学における若手教職員を中心とした長期ビジョン「VISION150」の検討に際し、未来の「当事者」である若手の意見や提案が反映される工夫を講じ、様々なプロジェクトを推進した事例が紹介された。それら事例に照らしながら、「2040年の大学を考える当事者は誰か」という問いを立てた際、本JUAMも同様に若返りを図る必要があり、時代のニーズに応じ、一つの型に囚われない多様な学会の在り方が期待されているのではないかと提言された。最後に、実務を知り尽くした職員でなければできないことがあり、特に若手・中堅職員は未来の大学の当事者である、という力強いメッセージを頂いた。

【パネルディスカッション】  15:20~16:20(60 分)
 登壇者 重冨 洋二 氏(福岡大学 企画総務部経営企画担当部長)(話題提供)
     齊藤 琢磨 氏(熊本学園大学 教務部教職・実習課係長)(話題提供)
     根岸 恵  氏(西南学院大学 入試・国際・教育推進部 教育推進課)
 <ファシリテーター 吉松朋之 氏(福岡女学院中学校・高等学校 事務長)>

 パネルディスカッションに先立ち、重富氏、齊藤氏よりテーマを踏まえて、それぞれ話題提供がなされた。重冨氏からは、アフリカの超加速経済の状況を事例に、次々に押し寄せる組織横断的課題、前例なき緊急課題に対峙し、従来の縦割り組織ではなく、プロジェクト型組織が主流になるのではないかとの発題がなされた。また、固定観念を取り払い、将来的視点から問題の本質を解決すること、VUCA時代にあっては慧眼を意識し、異空間の人や知との交流が肝要であることが述べられた。齊藤氏からは、同氏のこれまでのキャリアを通じて、人間関係の大切さが語られたが、特に、若いうちの交流がその後の自身の財産になるということ、常に自らが率先して行動するという進取の精神を大切にしているというコメントが同氏を印象付ける言葉であった。その後、両氏の話題提供を踏まえ、同じくパネリストの根岸氏より、自身の思考の傾向を知っておく必要があることや、身分や立場、年齢などの様々な隙間を埋める役割を意識したいというコメントが述べられた。引き続き、話題提供を踏まえ、若手・中堅・ベテランとそれぞれの立場から考えが述べられるとともに、フロアからも質疑がなされ、「若手の早期離職に際し、夢を語り、仕事の面白さを伝える機会の必要性」、「若手を捉える際の無意識のバイアスの存在」や「上の世代の意識改革の必要性」等、示唆に富む様々な意見が述べられた。総評にて、杉原会長は、何より楽しみながら取り組むことの大切さを述べられた。
 閉会に際し、吉松代表理事より、第27回定期総会・研究集会の報告がなされるとともに、本地区研究会の活動目的及び活動スローガン「Well-beingな地区研究会」について示された。

以 上

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