(関東地区研究会)2021-2022年度 第3回関東地区研究会 開催報告

■テーマ: 「2021年度『IDE-現代の高等教育』寄稿を通して考えた大学改革への挑戦」※
(JUAM20周年記念事業-海外大学調査研修参加者のその後の展開:その2)

■開催日時:5月21日(土)13時50分~15時30分 東京電機大学/オンラインでのライブ開催
■後援:国際委員会
■申込者:計33名(会員 25名 75.8%、非会員 8名 24.2%)
  関東 23名 69.7% 、近畿 4名 12.1% 、九州・沖縄 2名 6.1%、
  北海道 1名 3.0%、北関東・信越 1名 3.0%、中部・北陸 1名 3.0%、   
  中国・四国 1名 3.0%   

■概要
1. 開催経緯と実施概要

(開催の経緯)前回の趣旨と同様に、2017年の「若手海外派遣事業-海外大学調査研修-」事業の公募から5年の時を経て、当時派遣した若手中堅だった会員が、その時の経験をどう活かし、現在に至っているかの振り返りを含めて、調査時の中心を担ってきた職員の第二弾として、「2021年度『IDE-現代の高等教育』寄稿を通して考えた大学改革への挑戦」の成果を発表することを目指した。

 また、JUAM20周年記念事業の派遣当時の経験をどう活かし現在に至っているかを含め、IDE寄稿の内容に留まらず、研究支援や学生支援の観点を踏まえて、大学改革や意思決定手続きにおけるガバナンスに対する苦労や周辺話も披露することで大学職員の新たな学びの契機として、折しもJUAM創立四半世紀の節目、非公式ながら25周年記念の観点を持って、次の30周年・50周年の継続を目指すよう、これからの大学やJUAMを担う人材育成に向けて参加者を募った。

※山田あすか・高木田翼(2021):東京電機大学の若手研究者育成支援、IDE-現代の高等教育、No.636、pp.29-33

◆プログラム内容及び発表者
<プログラム>
(1)IDE寄稿の経緯と概要(30分)
(2)学長室と学生支援センターとの兼務から見えてきたこと(30分)
   ① ルーティン業務の見直し(学内奨学金の事例)
   ② コロナ禍で学生と取り組むTDU学生生活の活性化プロジェクト
   ③ 質疑応答
(3)JUAM20周年記念事業-海外大学調査研修から得たこと(10分)
(4)学びの展望(5分)
(5)質疑応答(15分)

【登壇者】
東京電機大学 学生支援センター(学生厚生担当)
  課長補佐 高木田 翼(JUAM20周年記念事業-海外大学調査研修参加者)
進行:学校法人学習院 宮澤文玄(関東地区研究会代表世話人、国際委員)

2.実施状況
(研究会概要)
 まず、関東地区研究会代表世話人宮澤より、JUAM20周年記念事業-海外⼤学調査研修当時の流れから現在に至る経緯を説明された。
これを受けて、当時海外⼤学調査に参加した東京電機大学高木田氏より、その後の変遷を経て2021年度『IDE-現代の高等教育』寄稿を通して考えた大学改革への挑戦」の成果を発表された。

 続いて、学長室と学生支援センターとの兼務から見えてきたこととして、ルーティン業務の見直し(学内奨学金の事例)となる新規事業の取り組み、そしてコロナ禍で学生と取り組むTDU学生生活の活性化プロジェクトの詳細を、その当時のリーダーであった学生自身を交え、学生本人の言葉とプレゼンテーションにて行った。終了後のアンケートも満足度の高い結果となった。主な意見は下記のとおりである。

(一部のみ抜粋)
・「職員のグットプラクティスな取り組みが聞けて非常に勉強になりました。最近自分より年代の若い方に教えられることが多く、学ぶ意欲が向上しました。トップダウンで部下の意見も聞かない大学トップ層に聞かせたかった内容でした。」

・「学生の視点から発表されるのはJUAMでも初めての試みなのではないでしょうか。またハイブリッドも含めて新たな試みに挑戦されるとは、多少問題あってもその姿勢が大切だと思いました。内容もこれまでにない観点で大変興味深かったです。」

・「内容が多岐にわたっており、教職協働の進め方、学内体制の作り方、学生の巻き込み方、国際業務の視点など、様々なことについて十分な時間をとられており、丁寧な報告で学ぶことが多かった。」

・「JUAMの海外研修の成果が業務を取り組む姿勢に変化を起こし、積極性が増し、活躍できている。」

・「学生に顔を向け続けた、職制の壁にとらわれない活動には大いに共感できるものであった。あえて出る杭になり、その思いを実現させた事例を共有いただき感謝します。」

・「一部音声の乱れはあったものの、許容範囲です。それよりもオンラインでも参加できたメリットの方が100倍大きいので、価値はあったかと思います。」

 また、申込者地域別内訳に示したように、オンラインの特性を活かし関東地区のみならず全国各地からの参加者があり、移動の時間や距離の制約を越えて参加できることの声も前回までのオンライン研究会同様に届いているとともに、対面の良さにも多く触れられていた。

 なお、初めてのハイブリッド開催ということで、一部音声の不具合や資料提示の課題もあったが、東京電機大学の先進的な施設・設備や、参加してくれた学生による細やかな配慮により事なきを得た。教員の参加の視点もあり、まさしく教職学協働の実践を研究会開催を通して成し得たことは今回学べたことである。

 今後も、関東地区研究会ではJUAMの国際化推進を踏まえ、高等教育を支える実務者としての視点と大学経営という大きな視点の両方に焦点をあてたテーマで、研究交流を展開していきたいと考えている。

■関東地区研究会:世話人代表/学習院大学 宮澤文玄

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