2019-2020年度第1回(通算59回)中国・四国地区研究会(共催:大学防災(減災)教育・対策研究グループ)「地域の中の大学が考えるべき防災・減災対策とは・・・-西日本豪雨災害から1年、もう一度防災・減災を考える-」

西國真一
2020/01/30

日時:2019年7月13日(土)13:30~17:30
場所:広島経済大学 立町キャンパス

中国・四国地区の大学職員を中心に北海道からの参加もあり、31名で学びを深めることができた。

まず初めに、様々な被災地での経験をもとに多くの防災・減災に向けた活動をされて、西日本豪雨災害でご自身も被災された呉市社会福祉協議会の近藤吉輝氏に、地域・大学における防災・減災対策や災害遭遇時の対応について講演をいただいた。実体験から語られた言葉には、悲惨さと生々しさが溢れており、参加者の胸を打つ内容であった。

次に話題提供として、広島国際大学の庶務課係長である田中ちひろ氏、被災した学内にある学生寮での炊き出しや校舎に流入した土砂の除去等の活動をした学生の木村大輔さん、黒木飛斗さん、門田有真さん、愛媛大学の学生で、現地に行かなくてもできるボランティアという視点で『愛大生のための災害ボランティアハンドブック』を作成した山根大地さんと小出陽菜さんに当時の被災状況やボランティア活動について、話を伺った。写真や映像等の資料と話から、災害の大きさを痛感し、備え・連携・協力の大切さや地域とのつながりの重要性を学んだ。特に、学生たちが語る体験談には「学生の力」の偉大さが表れていた。

最後に、近藤吉輝氏のファシリテートのもと、災害対応を自らの問題として考え、様々な意見や価値観を参加者同士共有すること、ゲームを通じて災害対応の場面で誰もが誠実に考え対応すること、これらのために災害が起こる前に自ら考えることが重要であることに気づくことを目的とした体験型ゲーム「クロスロード」を体験した。参加者からは次のような意見・感想が寄せられた。
・グループ全員が同じ意見になると思ってカードを出しても、全員一致することはなかった。
考え方の多様さを学ぶことができた。
・多数派の意見=正しい意見ではないことを知った。日常生活に近い事例ほど、難しかった。
・自分のことだけでなく、多数派を考えるという内容が良かった。どの質問も選択が難しく、他の
メンバーの意見から新たな判断材料を得ることができた。

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