大学人事・事務組織研究グループ 第12回研究会 開催報告

 2026年2月21日(土)、東京都世田谷区の閑静な住宅地に位置し、世田谷区役所にほど近い国士舘大学世田谷キャンパスにて、大学人事・事務組織研究グループの第12回研究会が開催されました。入試、年度末の慌ただしさの合間を縫った開催日でしたが、首都圏のみならず西日本からも多数参加いただき36名での開催となりました。

 今期は前期までの「ワーク・エンゲージメント」の議論から、「エンゲージメント向上に繋がる人事・組織制度のあり方を考える」を今期のテーマとして掲げ、研究会の開催、研究発表等の活動を計画しました。「ワーク・エンゲージメント」と「人事評価」を取り上げることにより、内部フローにあたる報酬(賃金)、異動、教育・研修、昇進・昇格との機能連関を考察していきたいと考えております。

 今期第1回の研究会企画は、大規模大学、中小規模大学それぞれの人事制度改革の取組事例、またエンゲージメント向上研修の実施報告を伺い、参加者相互の意見交換、情報交換等を通して考察し、非常に内容の濃い学びと気づきに溢れる2時間半となりました。

 冒頭に会場校である国士舘大学の概要、由緒を牧裕也氏(当グループ所属)からご紹介いただいた後、研究会へと入りました。

 第一部として、先ず立教学院業務執行理事・人事部長の原修氏より、大規模大学における人事制度改革の取組事例について発表がありました。直近の給与制度改正に至るまでの細やかな工程、また連動する評価制度について、その段階毎の学内の検討課題についても掘り下げた内容となりました。単純な制度のスクラップ・アンド・ビルドではなく、その過程の中で変わらない方が良いもの、例えば年功的な要素を残しながら制度の改革を進めるなど柔軟な姿勢が伺え臨場感のある報告をいただきました。

 続いて十文字学園女子大学の佐藤吉朗氏(当グループ代表)より、中小規模大学の人事制度改革の事例発表となりました。立教学院と同じく給与制度、評価制度の事例発表となりましたが、独自の給与体系構築と、多面評価(考課委員)制度など大規模大学とはまた違ったフットワークを活かした取組みについての発表となる一方、中小規模校の弱さ、課題についての考察もありました。

 第一部最後に、岡山大学の山﨑淳一郎氏(当グループ所属)から、当研究会で継続して発表いただいている「岡山大学エンゲージメント向上の取組」として自大学の研修の継続発表をいただきました。「なぜ、“笛吹けど踊らなかった”部課長が“打てば響く”部課長に変容できたか」をサブタイトルとしている通り、2023年11月調査から現時点までのエンゲージメントスコアが特に部課長で10ポイント以上向上している成果の内容の発表となりました。心理的安全性を高めることの効用についての実証は多くの大学組織でカギになる部課長の人材育成への提言となったことと思います。

 引き続き第二部として、参加者を5グループにわけ、ディスカッションを行いました。
第一部の講演を基に、名刺交換方々自大学へ置き換えた事例や現状の課題など尽きない話題となりましたが、限られた時間の中でのディスカッションとなってしまい、あっという間に終了時刻となりました。(今後もう少し議論の時間を設けたいと思います)

 その後場所を変え、近隣の下北沢へ繰り出し情報交換会を行いました。今回講演を行った3名を含め約20名の参加となりましたが、すっかり様変わりした(筆者主観)サブカルの聖地「シモキタ」でグループディスカッションの続きを更に熱く幅広い話題で盛り上がりました。

人事・事務組織研究グループの新体制後の初の研究会でしたが、2月のお忙しい最中にも関わらず講演いただきました皆様、また遠くから当研究会にご参加いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。
 前期までのワーク・エンゲージメントを更に発展させて、今回の研究会は事例発表ということもあり、多くの学校法人様にご関心をいただいたと感じております。その裏には予想よりも遥かに早い人口減少等大学を取り巻く厳しい環境があり、規模の大小、国立、私立に関わらず待ったなしの人事組織改革を模索されていることと思います。
 今後の研究会においても、今までの人事組織の研究成果を踏まえつつ、皆様からのニーズとご期待に沿ったテーマを取り上げ、今後の運営に努めてまいります。大学人事や事務組織は、どなたでも自分事として考えることができる身近なテーマです。グループ所属の有無に関わらず、どうぞお気軽にご参加ください。

大学人事・事務組織研究グループ
代 表 佐藤 吉朗(十文字学園女子大学)
副代表 浅見 直弘(東洋大学)、花原 大輔(武庫川女子大学)

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