2021年度 第1回 近畿地区研究会 実施報告

・テーマ どんな職員人生を歩みたい? ~ニューノーマル時代の大学職員のキャリアデザイン
・日 時 2022年6月4日(土)10:30~12:30 閉会後フリーディスカッション(~13:00)
・形 式 オンライン(Zoom)でのライブ開催(申込者限定 期間限定のオンデマンド配信あり)
・申込者数 70名(講師・運営スタッフ含む 会員:43名、非会員:27名)
・参加人数 52名(講師・運営スタッフ含む 近畿地区:35名、その他:17名)

・内容プログラム
1.大学職員としてどのように向き合ってきたか(自己紹介) 45分
 ①塩川雅美氏(元大阪市立大学高等教育研究院特任教授、「大学のためのFuture Design研究会」代表)
 ②御法川卓爾氏(関西学院大学国際連携機構事務部課長)
 ③小山真実氏(福井工業大学附属福井高等学校中高事務課)
2.パネルディスカッション 30分
3.質疑応答 15分

・開催の目的
 新型コロナウイルス感染症の影響により、この2年間、学内外における対面・対話の機会が減り、具体的な大学職員としての働き方、ロールモデルを描く機会、頻度が激減している。特に若手・中堅職員が大学職員のキャリア形成における疑問や悩みを相談できる機会が極めて少なかったと思われる。
 このような状況を受け、本企画では、管理職クラスの職員、中堅職員、若手職員に登場いただき、それぞれの立場からどのような思いで大学事務職員の仕事に向き合ってきたか、管理職クラスの方からはその苦労とその乗り越え方の体験を語っていただくとともに、若手・中堅職員は入職前からの今の気持ちの変化、やりがい、悩み(困っていること)、大学職員として期待されている役割(管理職の立場、若手の立場から)、管理職に聞きたいこと、若手職員に期待したいこと、若い時に磨いておきたい力、能力開発、様々なキャリアデザインのあり方をお話いただき、参加者が「〇〇年後のキャリアをイメージできるようになる」機会とする。

・実施概要
 最初に、世話人代表の澤田博昭氏(立命館大学)から開会の挨拶ならびに開催目的を説明された。続いて講演会講師の三名の簡単なプロフィールを紹介された。
世話人の大森則良氏(学校法人関西学院)の進行により、三名の講師による講演(一人15分)がおこなわれた。
<小山真実氏> 大学職員として入職2年目の小山氏からは、大学職員を目指したきっかけや入職後のギャップ、若手職員が持つ悩みなどが語られた。今後取組みたいとことして、「教員との連絡ツールの導入」「JUAMの企画運営」「社会人の学び直し支援」とのことで、チャレンジ精神いっぱいのお話であった。
<御法川卓爾氏> 5年間の民間企業での勤務経験の後、大学職員に入職し17年目の御法川氏は、管理職2年目の中堅職員として活躍中である。大学職員としてのキャリアデザインを明確に描き、次のステップに必要なものを獲得するために研鑚してきたことを語られた。勤務校の制度である「グローバル人材育成研修」での米国留学や管理職に向けての大学院への進学など、ご自身のターニングポイントとその後のキャリアの繋がりについて、具体的に紹介された。ニューノーマル時代に求められることは、世の中の変化への対応力であり、学び続け、変わり続ける力が必要であると結ばれた。
<塩川雅美氏> 数年間の民間企業での勤務経験の後、「動機は不純、勘違い」で大学職員に入職して30余年の塩川氏は、複数の大学で職員・教員として活躍してこられた。現在は、大学のためのFutureDesign研究会の代表である。入職当時、ガラパゴスな大学業界に啞然とした経験から、「打倒大学職員」という反骨精神がモチベーションの原動力だと言う。大学では教員として副学長の職に就いたこともある塩川氏が、「役職」は「役割」に過ぎないとの考えのもと、これからの時代の管理職が管理すべきものは何かと投げかけられた。また、大学での仕事のなかに、なりたかった職業の要素を発見することで、自己実現できると語られた。
 続いて、参加申込みの際にいただいた質問事項などをふまえて、パネルディスカッションがおこなわれた。参加者からの質問にも回答いただき、予定時刻まで活発なディスカッションが繰り広げられた。
 その後、世話人の中原正樹氏(京都産業大学)から、講演会ならびにディスカッションのまとめがあり、JUAMへの入会案内をおこなった。
最後に、世話人の松風直子氏(武庫川女子大学)から、JUAM近畿地区研究会が今後、開催を予定しているシンポジウム、講演会の案内をおこない、閉会した。

 閉会後、三名の講師のご協力を得て、フリートークの時間を持つことができた。参加は任意であったが、引続き30名以上の方が、自由に意見交換をおこなった。

 事後アンケート(41/52件:6月8日現在)によると、参加者の年代は40歳代が最も多く、50歳代・60歳代以上と合わせて60%以上を占めている。企画当初は、若手職員をターゲットにしていたが、20歳代・30歳代は40%以下であった。大学職員歴も、10年以上が70%以上を占めている。多様な経歴をお持ちの講師の方々に講演いただいたことで、38名が「期待以上、期待どおり」と回答しており、概ね好評であったと思われる。

・近畿地区研究会/世話人
 澤田博昭(立命館大学)
 大森則良(学校法人関西学院)
 中原正樹(京都産業大学)
 松風直子(武庫川女子大学)

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