2021-2022年度第2回(通算66回)中国・四国地区研究会「学生を支援するには、何をすればよいですか?」

■投稿者:西國 真一

2021年12月19日(日)、2021-2022年度第2回(通算66回)中国・四国地区研究会「学生を支援するには、何をすればよいですか?」をオンラインにて開催した。全国各地から49名の大学教職員が参加した。

このたびは、戦後の厚生補導政策からこれまでの学生支援政策の歴史を紐解き、これまでの大学職員がどのように考え学生を支援してきたのかを慮りながら、昨今のコロナ禍における学生支援の事例を学び、私たち大学職員がこれからとるべき行動や学生を支援するための仕組みづくりの糸口を探る目的で開催した。

まず、「戦後日本の学生支援とは何か-『厚生補導』の制度改革と理念・目的・担い手の歴史から-」と題して、広島大学高等教育研究開発センター助教蝶慎一氏に以下のとおり講演いただいた。戦後、米国占領下からの大学改革の中で全人教育が推進され、厚生補導の理念として全人的発達やホリスティックな教育の重要性など、学生の人格や人間的な成長が重視されていた。具体的な活動として、奨学援護などの経済援助や保健指導、学寮の運営は継続的に行われ、カウンセリングや職業指導といった専門的な研修も行われていた。

次に、「コロナ禍における学生の友人関係とコミュニケーション」と題して、広島市立大学企画室特任助教山咲博昭氏に以下のとおり発表いただいた。コロナ禍における学生の学びの質的調査から、学生がSNSを足掛かりに新たな友人関係を構築し、相互支援を行っていたこと、学生たちが直面した課題を自分事として捉え、自分の力で課題解決に導こうとする姿勢を有していることがわかった。このことから、学生の意見を取り入れることやピア・サポート活動のような学生が学生を支援する仕組みを大学として組織的に設けることが重要である。

次に、「学友会(学生自治組織)活動の支援から考えたこと」と題して、広島経済大学学務センター学生課係長 西國真一氏に以下のとおり発表いただいた。学生課着任時、学友会などに所属する学生たちと学生課の関係性や活動する学生たちの想いが見えないことなどから、学生の動きを把握し、活動時期や活動内容を資料に残して見える化し、それを学生たちと共有することに努めた。学生と接するときは否定しないこと、受け止めることを心掛け、学生たちとの交流が増え、お互いの活動がわかるようになった。一緒に悩み、互いに協力することで、結果ではなく、過程が関係性をつくることを実感した。

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