新年の挨拶

■投稿者
大学行政管理学会会長 東洋大学 笠原 喜明

あけましておめでとうございます。年頭にあたり、ひとこと挨拶を述べさせていただきます。
2020年3月11日に世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス(COVID19)についてパンデミックを宣言して以降、2年近い年月が経過していますが、コロナ禍は一向に収まる気配がありません。日本においては昨年の10月から12月にかけて、ほぼ収束したように見えた時期もありましたが、ここにきてオミクロン株が一気に蔓延し、第6波が到来しています。
パンデミック宣言以降の約2年間は、大学行政管理学会(以下、JUAM)においては金田前会長のもとの第13期の2年間と凡そ合致しており、この間の関係者の皆さまのご苦労はどれほどであったかと推察いたします。とりわけ、2020年度の研究集会を見送り、2年越しの2021年9月、神戸学院大学での研究集会の開催とその成功にご尽力された研究・研修委委員会委員、神戸学院大学職員をはじめとした関係者の皆様のご努力に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
1年前に示された金田前会長の年頭の挨拶を再読しますと、2021年1月11日現在、コロナウイルスの感染者数は約30万人、死亡者数は4,100人でした。約1年後の2022年1月7日現在で、感染者数は約175万人、死亡者数は18,399人となり、この1年間の増加は感染者数で約145万人、死亡者数で約14,300人となります。感染者数、死亡者数とも最初の1年より、そのあとの1年間の方が数倍多いわけですが、社会的な混乱は徐々に収まってきているように思います。一番恐ろしいのは先のことが全く予測できないことであって、終わりは見えないものの、被害の程度に予測が立てば、人はそれなりに動けるのかもしれません。
そんな中、JUAMの常務理事の皆さんと先日、オンラインミーティングをした際、地区別研究会の活動状況を確認させていただいたところ、コロナ禍の影響により参加者が減ったところもあれば、逆に増えたところもあることがわかりました。実は減った地区も、増えた地区も主な原因は従来、対面式の開催であったものをオンラインによる開催に変更したことでした。前者はオンライン開催に馴染めない会員が少なからずいたことが原因であり、後者はオンライン開催によって距離の壁がなくなり参加しやすくなったということが原因のようです。また、2021年9月に開催された研究集会のアンケート結果を見ますと、「各種研修・イベント・会合のオンライン実施」について、「希望する」(53.9%)と、「どちらかというと希望する」(38.2%)を合わせて92.1%がオンライン開催に肯定的な回答をしています。地区別研究会の状況と併せて、興味深い結果だと受け止めています。
私も含めて年齢が高くなると、「対面で懇親を深めてからのオンライン会議であれば抵抗はないが…」と考える方が多いと思います。一方、距離的、時間的、経済的に制約の多い方、とりわけ若い方にとっては、「はじめはオンラインで会い、徐々に関係を構築し、気心が知れたところで機会を見て直接会ってみる」というスタイルの方が、抵抗感が少ないのかもしれません。どちらが良いという話ではなく、コロナ禍を機に得たオンラインというメソッドを、各自が上手に使いこなせばよいのでしょう。2022年はウイズコロナ・アフターコロナにおけるJUAMの活動スタイルのニューノーマルをある程度、明確にしていく宿題を与えられた年だと受け止めています。
コロナ禍の影響でJUAMの会員数は減少傾向にありますが、新たに入会する人も決して少なくありません。保有するデータから、退会される方の理由や、入会される方が期待するものを正しく把握し、対策を検討したいと思っています。国の方針、文部科学省の補助金政策を見ても分かるように、各大学が今後DXにどう対応するか、データサイエンスをいかに活用するかは大きな課題です。そのことにより、求められる大学職員の資質も大きく変わっていくと思います。私自身決して得意な分野ではないので、情報リテラシーを高めることを2022年の個人目標とし、昨年末、まずはスマホをiPhone13に買い換えました。
末筆になりますが、本年が会員諸氏と所属する大学等にとりまして、明るい一年となりますよう、心より祈念申し上げます。

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