■テーマ:「コロナ禍での韓国大学のオンライン授業における現状と課題」
~日本の大学教育・運営への応用を目指して~
■開催日時:2020年6月27日(土) 14時30分~16時30分、オンライン(Zoom)
■参加人数:申込者計54名中、韓国からの参加者6名(11%)、
国内内訳(多い順):関東地区26名(48%)、近畿地区10名(19%)、
中部・北陸地区4名(7%)、九州・沖縄地区4名(7%)、
北海道 1名(2%)、東北地区1名(2%)、北関東・信越地区 1名(2%)、
中国・四国地区1名(2%)
■概要
1、 開催経緯と実施概要
(開催の経緯)
関東地区研究会では、2019年8月に大学行政を巡る国際比較として、韓国大学を訪問するスタディツアーを実施し、その報告会を本年1月津田塾大学にて開催した。その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的蔓延を背景に、大学の学びの場も大きな変革を迎える事なった。そこで、日本と同様の社会問題を包摂し、新学期も1ヶ月早い韓国の大学は、現在どのような状況にあるのか。アンケート調査、事例、現地の方々の生の声に基づき考察を深める事を目指し、本研究会の開催となった。
(1)本研究会の目的と概要
(2)コロナ禍のオンライン授業に関連する韓国大学制度の概要と現況
:学習院大学 学長室 部長 宮澤文玄
(3)韓国各大学のオンライン授業調査アンケートの報告
:関東国際高等学校 副校長 黒澤眞爾
(4)韓国・建国大学のオンライン授業における学生満足度調報告
:同上・ 宮澤文玄
(5)「韓国大学関係者からの総合解説」及び質疑応答
・建国大学 イノベーションセンター SON Daejoongセンター長、
・東国大学 国際部 JUNG Jae Hoon課長、
・ライセンスアカデミー ソウル支局 KIM Connieマネジャー、
・他(東国大学 招聘教授、日本からの留学生2名)
2、実施状況
《 研究会概要 》
「コロナ禍のオンライン授業に関連する韓国大学制度の概要と現況」
:新学期が3月から始まる韓国の大学では、日本より1カ月先行してコロナ禍に関する諸問題への対応が迫られていた。時系列で日韓を比較。
「韓国各大学のオンライン授業調査アンケートの報告」
: 5月末から6月初旬にかけて、韓国語でアンケートを実施。20大学相当からの回答に基づく詳細報告、学生さん達の声の紹介。
「韓国・建国大学のオンライン授業における学生満足度調査報告」
:建国大学で実施されたオンライン授業に関する調査に関する報告。建国大学は「学習権侵害」に対する補償として、授業料の減額を決定した記事の紹介。
「韓国大学関係者からの総合解説及び質疑応答」
: 6/27は前期の授業期間が終わる時期。韓国側の参加者は、大学職員、教員、学生、教育関係機関の方と、立場の異なる方々。
(日本からの質問(回答概要))
・授業教材の準備は?(韓国は主に教授が準備)
・大学内への入構制限(6/27時点、体温等をチェック、建国・東国)
・課外活動は?(許可されていない、建国)
・教員への支援体制(充分な支援あり、東国)
・対面授業の実施(全体の4%程度、実技実習授業で10%・東国、
30人以下は全員同意で対面、ただし非同意はしづらい・キョンヒ)
・評価制度(絶対評価、P/NP制の導入)
等々
《会の終わりに(黒澤先生)》
韓国の学生と一緒になってこの難を乗り切ろうとする姿、早い時期からアンケートを実施し丁寧に対応する姿から、学ぶべき点も多い。日本、韓国ともに少子化は大きな社会問題である。だからこそ、コロナによって一人の子ども取り残してはいけないこと、教育に携わる者同士、手を携えて乗り越えていく事を確認し合い、会は終了した。
3、 今後に向けて
オンラインでの開催は初の試みだったが、オンラインの特性を生かし、韓国、全国各地からご参加。今回の研究会を踏まえ、今後も引き続き、コロナ禍の韓国大学における現状と課題から日本の大学運営への応用を考えていきたい。
■関東地区研究会:代表者/学習院大学 宮澤文玄
投稿者/白梅学園大学 佐々木理葉