■投稿者 前田 誠史(西南学院大学)
■開催日時 2024(令和6年)年12月7日(土) 14:00~17:00
■開催場所 九州産業大学2号館4階 2E407教室
■参加人数(オンラインの場合は、地域分布の詳細も記入のこと) 24名
■内容
【基調講演】 14:10~15:45
「学生募集強化と大学入試改革はどう繋がるのか?-事例と原理原則」
木村 拓也 氏 (九州大学 人間環境学研究院 教育学部門 教授)
講演では、急激な少子化による大学進学者数の減少(国の2023/7の試算では2050年・49万人であったが→2024/11の試算では42万人!!)や、大学入試制度の変化が取り上げられた。特に、2040年には進学者数が大幅に減少し、定員充足率が80%を下回るとの予測が示される中、一般入試から総合型・推薦型入試、年内入試等へのシフトが進んでいる現状が強調された。
また、全国の大学の高大接続プログラムや探究型入試、育成型入試等の事例が紹介され、これらが学生募集強化に寄与している点が示された。
一方で、多面的評価を伴う入試運営のコストや、専門人材の不足などの課題も指摘された。
さらに、地域の特性、大学の特性に応じた柔軟な入試制度の設計、データ分析を活用した受験生動向の把握、そして特色ある学生募集戦略の重要性が指摘された。
【事例発表】 15:50~16:20
「九州産業大学におけるWCV (Weekday Campus Visit)成果事例」
一ノ瀬 大一 氏(九州産業大学 学生課長)
一ノ瀬氏から、「WCVプログラム」について、次のとおり事例発表があった。
・高校生が大学の授業を体験することで、進学ミスマッチを防ぎ、進学意欲を向上させることを目的とした取り組みである。このプログラムには「通常版」「育成型」「高校別」の3種類があり、年間を通じて複数回開催されている。これにより、中退率の減少や志願者数の増加、高大接続の推進に一定の成果を上げている。
・特に高校別WCVは参加者数が多く、2024年度には依頼が急増した。一方で運営に関わる教職員の負担が大きいため、効率的な運営方法やプログラムのさらなるカスタマイズが今後の課題とされている。
・また、育成型入試では事務職員がアドミッションオフィサーとして高校生と面談し、進学意欲や適性を確認している。この制度により、進路のミスマッチ防止や学びの動機づけが進められている。これらの取り組みは学生募集活動だけでなく、高大接続を強化する重要な手段として継続されている。
【パネルディスカッション】 16:20~17:00
コーディネーター 中村 拓昭 氏(九州産業大学 図書館 庶務係長)
パネリスト 木村 拓也 氏・ 一ノ瀬 大一 氏
中村氏のコーディネートのもと【基調講演】【事例発表】の内容を踏まえ、パネリスト(木村氏、一ノ瀬氏)と研究会参加者の質疑応答などが行われた。
以 上