キャンパス風景を追い、ストーリーを描く – 銘々に抱く未来像 –
2025年6月13日(金)13:00~17:00
今年度第2回目となる第83回ファシリティマネジメント研究会は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)様での開催です。6月ということで心配なのは天候不順でしたが、参加者の皆、ツキを持ち寄るような形になりました。研究会直前の天気予報が伝えるのは、沖縄で史上最も早い梅雨明け。願ってもいない奇跡的な報によって好運の気配に包まれ、「天は我らに味方せり!」とばかり、あとは準備するまで、そして当日が来るだけ、と、高ぶる気持ちも落ち着き、一気に冷静さを取り戻しました。迎えた当日は、那覇空港の集合場所に参加者の皆様が歩み寄り、全員が揃ったところで大型貸切バスに乗り、さぁ、目指すはOIST!! 約1時間の行程の間、ファシリティマネジメント研究会がこれから行く道を思いながらバスに揺られ、これまで来た道を振り返りながら頭の中で繋げ、よし、今回も今まで通りのフリースタイルで臨もうと決めました。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)様に到着し、本日の案内をお願いした「働き方」研究会のリーダーとしても活躍されている木村様とバス車内で合流。事前にスケジュールや見学ルートをご説明頂きました。自由見学スペースを思い思いに見学する中で確信したのは、やはり百聞は一見に如かず。キャンパスの雰囲気や息遣いのようなものは、写真では伝わり切らないものだということでした。ファシリティマネジメント研究会がリアル開催を徹底している理由でもあります。

色彩豊かなヴィレッジセンターを見学し、メインレセプションへ向かいます。こぼれそうになる溜息を「まだ早いぞ…」と懸命に飲み込みながら、沖縄科学技術大学院大学(OIST)様の歴史や業績を美しく展示するトンネルギャラリーへ。まるで神秘的な世界へ誘うかのような空間を通り、吸い込まれるようにキャンパス内部へと歩を進めます。これもまた特別なものに思えるエレベーターに乗り、センター棟のLevelBとLevelCに。屋上には水と緑、校舎間を渡した吊り橋が見えます。廊下の壁の掲示には、通行者が思わず足を止めてしまう工夫が施されていました。目に映る優しい木々の色、視線を変えれば澄んだ青い海、空、そこに現代的な建物が調和している絶妙なキャンパス風景です。カフェで喉を潤し、この機会にと各々がOISTグッズを買い込んで、セミナールームに集合しました。

座学形式にて、木村様から沖縄科学技術大学院大学(OIST)様についてのご説明を頂きました。その成り立ち、研究活動への力の注ぎ方とサポート体制。世界的に評価の高い、やや謎めいた沖縄科学技術大学院大学(OIST)様の姿の一端を垣間見ることができたように思います。これから足を踏み入れることになる教育研究施設についてのお話をお聞きし、再びキャンパス見学へと向かいます。

Labにずらりと並ぶ各室の扉には、高度な実験が行われていることの分かる掲示があり、厳かな気持ちで先へと進みます。研究活動の妨げにならぬよう、不意に出そうになる歓声を抑えながらの見学です。施設設備自体が研究活動を推進するための存在として、理念ありきで作られたことが明確に伝わってきます。途中で参加者の皆様と記念撮影、そこから最も新しい施設であるLand neXusへ。圧倒されるような思いで、あっと言う間の1時間。この場所で研究に没頭しようという志があり、それをサポートしたいという思いがあり、その根底には、それら全てを一体として前進させるための考えがある。そんなことをキャンパスが語り掛けてくるような、貴重な経験になりました。

セミナールームに戻り、木村様に進行を託して見学を終えた後での質疑応答など。三名の研修生にもご参加頂き、率直なお話を伺うことができました。時に室内が笑い声に満たされ、あちこちで納得や感嘆と共に大きく頷く姿が見える、楽しく穏やかな時間。参加者の皆様にも「もう少し…」という思いがあったであろう中で、残念ながら研究会終了の17:00に。続きは第2部として位置付けた情報交換会に持ち越しです。

後ろ髪を引かれる思いで沖縄科学技術大学院大学(OIST)様を後にし、バスで那覇市内に向かいます。当初は10名程度かなと想定していた研究会参加者も、沖縄科学技術大学院大学(OIST)様の魅力のおかげで、なんと30名! その全員が情報交換会にもご出席ということで、参加率100%の不滅の大記録(?)を沖縄の地で打ち立てることになりました。3時間の予定だった情報交換会は4時間に延び、それでも会話が尽きることはなく、笑い声が絶えることもなく。11:30に那覇空港で待ち合わせ、気が付けば22:30と、実に11時間を共に過ごしたことになります。再会を約束し、惜しみながら別れを告げて、暑い、熱い、厚い、伝説の沖縄物語も終幕となりました。

【充実感】
とびきりの笑顔で心地良い疲労感を味わうこと。また、その様子。(ファシリティマネジメント研究会大辞典より) 極上の充実感を得ることができたのは、何より沖縄科学技術大学院大学(OIST)様とご案内頂いた木村様のご厚意のおかげです。ありがとうございました! そして毎回のことながら、参加者の皆様の熱心さが刺激となり、研究会運営のモチベーションになっています。「楽しかった!」というお言葉は、満点の栄養素です。また会いたいと思う仲間に恵まれ、心からの感謝を!
来月、横浜で会いましょう!
増田敦史(十文字学園女子大学)
