秋のしらせと共に再開(再会)
2025年10月3日(金)14:30~17:00
前回から2か月の間隔が空き、お久し振りとなった第85回ファシリティマネジメント研究会。2025年度の私立大学志願者数ランキング第1位を記録した、注目の千葉工業大学様の津田沼キャンパスにお邪魔しての開催です。積極的な学部新設や入試制度の工夫などに取り組まれ、「学生一人ひとりのワクワクを育てる環境」を作り出す極意の一端であっても、キャンパス風景を通じて垣間見たい、感じ取ってやろうという意気込みによる探求の時間。参加者の皆様の思いも同じでしょう。集合時点で、既にワクワク感が漂っていました。

先ずは座学からスタート。どのような歴史を持ち、どのように現在のキャンパスが形成されてきたのか。構内の図面を映し出しての説明は大変に分かりやすいものでした。初期のキャンパス全景を撮影した白黒写真を見ると、思わずグッと込み上げてくるものがあります。願いや歩み、その原点を見るような思いがするからでしょうか。一方で、校舎建設や移動の流れを見ていると大変さが伝わってきて汗が噴き出すような感覚に襲われます。(校舎間の荷物移動を経験された方なら、お分かり頂けるはずです…)
続いて、茶室についてお話をお聞きしました。茶室の名前=席合、入口に掲げる額=扁額は、千葉工業大学様の名誉博士第一号でもある三笠宮彬子女王殿下が揮毫、命名されたものです。学問をする人の灯になるようにという願いが込められた茶室「青灯亭」は、2号館の最上階である20階、なんと地上80メートルに作られたとのこと。お話をお聞きしながら、情報量の多さに少し頭が混乱しました。
こんがらがった頭を整理し、立案と、それに沿った実行。双方が見事に噛み合う形で、極めて計画的に、千葉工業大学様が取り組んでこられたキャンパス形成を息遣いや温度を伴う形で知るため、キャンパス見学に向かいます。

金曜日開催ということで、学生さんの姿のあるキャンパスです。共に20階建てのツインタワーのうち、1号館からスタート。事前にご説明を頂いていることで、「話に出てきたのは、この場所だな。」と実感しながら見学することができました。ズラリと並ぶ機器を使って実習中の学生さんが、参加者の皆様からの質問に優しく答えてくださる一幕もあり、微笑ましく、研究会に彩りを加えて頂きました。最上階20階からの眺望は素晴らしく、そのパノラマには、大人を子供に戻してしまうほどの力があります。自分自身、ほんの一時、高所恐怖症であることを忘れて走り回ってしまった次第です。
大規模改修を実施した4号館では、その工夫とご苦労をお聞きしながらの見学です。参加者の皆様のうち、施設担当部署に所属していない方から、施設担当部署に所属している方に、道々、建築や設備に関する質問をしている光景がありました。研究支援を担当されている方に、実験機器の導入について尋ねている場面もありました。部署横断的に、様々な視点を持ち寄ってというファシリティマネジメント研究会ならではでしょう。
ツインタワーのもう1棟である2号館1階には、その技術によって宇宙を見つめるラボがあります。空を見上げるような気分で、一気に地上80メートルの20階まで。設計から施工まで、独創的な趣向を凝らした「青灯亭」に入ると、高揚していた気分が落ち着くのは不思議です。茶室「青灯亭」が持つ魅力なのでしょう。地上80階にいることすら忘れてしまう時間でした。千葉工業大学様のご厚意により、見学させて頂いたことに感謝です。

見学を終え、部屋に戻って質疑応答など。中には、なかなか答えにくい質問もあったかもしれません。参加者の皆様から事前に頂いていた質問に対する、第一部でのご回答を含め、千葉工業大学様にはご丁寧にお答え頂きました。

ただジッとしているだけで体力を削ぎ落されるような夏が終わり、少し過ごしやすくなった時期の開催。加えて、千葉工業大学様のお取り計らいもあり、余裕を持って進められた回も無事に終了し、情報交換会へ。
毎回のことですが、どれだけ話し、どれだけ笑ったでしょうか。その中にハッキリと分かる形で紛れ込んでいる、かなり貴重な情報の数々。運営チームにとっては、会場校をお引き受けくださる大学様に甘え、ご参加頂く皆様のご協力に支えられ、回を重ねることができていると実感する時間です。今後も、ファシリティマネジメント研究会らしい楽しい企画を。そう思いながら、久し振りの研究会は散会になりました。

次回は11月、また会いましょう!
ファシリティマネジメント研究会
増田敦史(十文字学園女子大学)、徳岡謙兒(文京学院大学)、川邊幸輔(多摩美術大学)
